日本FP協会2026年5月公表分/独自解説・第1回(全14問)
FP2級・3級 2026年5月公表の公式過去問を解説|正答になる理由がわかる学科対策
「公式の模範解答を見ても、なぜその答えなのかわからない」という方のために、日本FP協会が公表した実際の学科試験の設問番号に沿って、正答に至る考え方を解説します。本記事はFP3級の問1~10、FP2級の問1~4の計14問を対象とする第1回です。全60問ずつの解説が完成したという意味ではありません。
読み方:まず公式PDFで問題文と選択肢を読み、次にこの記事の同じ問番号で「正答の根拠」「間違えやすい点」を確認してください。本記事では問題文・選択肢を全文転載せず、論点を要約・再構成しています。
法令基準日への注意:元となる2026年5月公表の2級・3級学科問題は、いずれも原則2025年4月1日施行の法令等を前提に作成されています。FLLの独自演習問題の基準日2026年4月1日と混同しないでください。制度の改正により現在の取扱いと異なる場合があります。解説は公表問題の正答を説明するためのもので、当年度の受験制度の全件更新を保証するものではありません。
公式問題と正答の原典
出典:日本FP協会「3級学科試験(2026年5月公表分)」「2級学科試験(2026年5月公表分)」を参考に、FLLが設問の論点を要約して独自に解説したものです。日本FP協会による監修・公認は受けていません。
FP3級の正誤式・問1~10
各問の○×と、判断の決め手を確認します。
問1 | 問2 | 問3 | 問4 | 問5 | 問6 | 問7 | 問8 | 問9 | 問10
FP3級 問1|投資助言・代理業を始めるときの登録
公式正答:○(正誤式)
解説:個別の金融商品について、顧客との投資顧問契約に基づく投資助言・代理業を業として営むには、金融商品取引業者としての登録が必要です。FP資格だけで有償の投資助言業務を自由に営めるわけではありません。
復習ポイント:制度の一般的な説明と、登録を要する投資助言業務を区別しましょう。
FP3級 問2|労災保険料は誰が負担するか
公式正答:○(正誤式)
解説:労働者災害補償保険の保険料は事業主が全額負担します。これに対して雇用保険は、原則として事業主と労働者の双方が保険料を負担します。
復習ポイント:「労災=事業主負担」「雇用保険=労使負担」を比較して覚えます。
FP3級 問3|学生納付特例で審査する所得
公式正答:×(正誤式)
解説:学生納付特例では原則として申請する学生本人の前年所得を審査します。親や世帯主の所得が高いことだけを理由に利用できなくなる制度ではありません。保険料は免除ではなく納付を猶予されます。
復習ポイント:本人の所得要件と、保険料免除制度の審査方法を混同しないことが大切です。
FP3級 問4|iDeCo老齢給付金の受取方法
公式正答:○(正誤式)
解説:個人型確定拠出年金(iDeCo)の老齢給付金は、要件のもとで年金形式に加え一時金形式でも受け取れます。年金受取と一時金受取では税制上の所得区分などが異なります。
復習ポイント:受取方法と税制の違いは別々に整理します。
FP3級 問5|中退共の掛金を従業員に負担させられるか
公式正答:○(正誤式)
解説:中小企業退職金共済(中退共)の掛金は全額を事業主が負担します。掛金の一部を従業員に負担させることも認められていません。退職金は制度所定の手続きで従業員に支給されます。
復習ポイント:退職金制度の名前だけでなく、掛金の負担者を確認します。
FP3級 問6|生命保険の契約者貸付の限度
公式正答:×(正誤式)
解説:契約者貸付は、一般に解約返戻金の一定範囲内で利用できる制度です。死亡保険金額そのものが借入限度になるわけではありません。貸付には利息がかかり、商品によっては制度を利用できません。
復習ポイント:死亡保障の額と、解約返戻金を原資にした貸付可能額を区別します。
FP3級 問7|収入保障保険を一時金で受け取る場合
公式正答:○(正誤式)
解説:収入保障保険の死亡保険金を一括で受け取ると、一般に将来の年金受取額を現在価値に換算するため、年金形式で受け取った場合の単純な総額より少なくなります。具体的な額は契約条件で決まります。
復習ポイント:年金総額と、一括受取時の現在価値を同じ額だと考えないようにします。
FP3級 問8|確定年金の受取中に被保険者が死亡したら
公式正答:×(正誤式)
解説:確定年金は所定の支払期間について年金を支払う仕組みです。年金受取開始後に被保険者が死亡しても、残りの期間に対応する年金やその現価を、所定の受取人等が受け取ることがあります。生存を条件とする年金と区別します。
復習ポイント:「確定年金=支払期間が確定」と覚え、終身年金との違いを確認します。
FP3級 問9|地震で住宅が倒壊したときの火災保険
公式正答:○(正誤式)
解説:一般の火災保険では、地震・噴火・それらによる津波を原因とする建物損害は原則として補償対象外です。地震による倒壊への備えとしては、火災保険に付帯する地震保険を別途確認します。
復習ポイント:同じ『住宅の損害』でも原因が火災なのか地震なのかが判断の分かれ目です。
FP3級 問10|洪水で車が水没した場合の車両保険
公式正答:×(正誤式)
解説:洪水や豪雨による水没は、契約した車両保険の補償対象となり得ます。地震・噴火・それらによる津波による損害との区別が必要です。ただし、商品・補償タイプ・特約・免責条件によって扱いは異なります。
復習ポイント:『自然災害ならすべて対象外』とは判断せず、災害の原因と約款を確認します。
FP2級の四答択一式・問1~4
正しい選択肢だけでなく、ほかの選択肢がなぜ違うのかも整理します。
FP2級 問1|6つの係数の使い分け
公式正答:3)(四答択一式)
解説:将来の目標額を決め、それを用意するために毎年末いくら積み立てるかを求めるのは減債基金係数です。将来必要額にこの係数を掛けます。
各選択肢の判断理由
- 1) 誤り。現在の元金を将来の元利合計に直すときは終価係数です。現価係数は将来の金額を現在価値に戻します。
- 2) 誤り。毎年の積立額から将来の元利合計を求めるときは年金終価係数です。年金現価係数ではありません。
- 3) 正しい。将来目標額から毎年末の必要積立額を求める減債基金係数の説明です。
- 4) 誤り。毎年の受取額から必要な元本(現在価値)を求めるときは年金現価係数です。資本回収係数は元本から毎年の取崩額を求めます。
復習ポイント:『現在額→将来額』『将来額→毎年積立』『現在額→毎年取崩』の向きを図にしてから係数を選ぶと間違えにくくなります。
FP2級 問2|健康保険の出産育児一時金と保険給付
公式正答:4)(四答択一式)
解説:夫婦がそれぞれ健康保険の被保険者であるとき、妻自身の出産について妻の出産育児一時金が支給されても、夫に同じ出産を理由とする家族出産育児一時金が重ねて支給されるわけではありません。
各選択肢の判断理由
- 1) 正しい扱い。70歳未満の被保険者の療養の給付の自己負担は、原則として3割です。
- 2) 正しい扱い。傷病手当金の支給期間は、支給開始日から通算して最長1年6カ月です。
- 3) 正しい扱い。70歳未満の高額療養費の世帯合算では、原則として受診者・医療機関・医科歯科・入院外来の単位で自己負担21,000円以上のものが対象です。
- 4) 不適切。被保険者本人が出産した際の出産育児一時金と、被扶養者が出産した際の家族出産育児一時金を二重に請求できません。
復習ポイント:『被保険者本人の出産』と『被扶養者の出産』を切り分けるのがポイントです。
FP2級 問3|雇用保険の基本手当と賃金日額
公式正答:4)(四答択一式)
解説:基本手当の算定基礎となる賃金日額は、原則として離職直前6カ月の毎月決まって支払われた賃金を合計し、180で割って求めます。賞与は通常含めません。
各選択肢の判断理由
- 1) 正しい扱い。正当な理由のない自己都合離職では、原則として離職前2年間に被保険者期間12カ月以上が必要です。
- 2) 正しい扱い。一般の受給資格者で算定基礎期間が20年以上なら、所定給付日数は150日です。
- 3) 正しい扱い。失業の認定は原則4週間に1回行われ、その認定された失業の日について基本手当が支給されます。
- 4) 不適切。賃金日額に賞与まで含めている点が誤りです。原則として6カ月の給与相当額を180で割ります。
復習ポイント:分母の『180』だけで判断せず、分子に含める報酬を確認しましょう。
FP2級 問4|学生納付特例の追納可能期間
公式正答:3)(四答択一式)
解説:学生納付特例の適用を受けた保険料は、厚生労働大臣の承認を受け、承認月の前10年以内の期間について追納できます。追納しない期間は受給資格期間には算入されますが、老齢基礎年金額には原則反映されません。
各選択肢の判断理由
- 1) 誤り。学生納付特例の所得審査は原則として学生本人が対象で、世帯全体の所得を判定する制度ではありません。
- 2) 誤り。申請期間を自由に6~24カ月で指定する制度ではなく、原則として年度ごとの取扱いです。
- 3) 正しい。追納の承認を受けた月の前10年以内が対象となる点が重要です。
- 4) 誤り。追納がなければ学生納付特例期間は老齢基礎年金の金額に反映されず、全額免除期間の『2分の1反映』とは異なります。
復習ポイント:『受給資格期間には入る』『追納しなければ年金額には反映されない』を分けて覚えます。
学習の定着を確認する
誤答を防ぐためには、選択肢の表現を丸暗記するより、「制度の対象者」「数字の意味」「起算日・基準日」「制度間の違い」を自分の言葉で説明できることが重要です。とくにFP2級の係数は、求める金額の方向を先に確かめましょう。
関連ガイド:FP3級の勉強方法/FP2級の勉強方法/計算問題の解き方
解説で参照した公的・専門機関の資料
- 厚生労働省:労働保険の概要
- 日本年金機構:学生納付特例制度/追納の説明
- 中退共:掛金負担
- 生命保険文化センター:契約者貸付
- 日本損害保険協会:地震と火災保険/三井住友海上:車両保険と洪水
- 協会けんぽ:出産育児一時金/高額療養費
- 厚生労働省:雇用保険の基本手当
更新日:2026年10月26日/AIを利用して原典と照合した限定的な解説です。全設問について独立した資格保有者による監修が完了したものではありません。訂正が必要な場合はお問い合わせからご連絡ください。
